ストレージボリュームを管理するには¶
ストレージボリューム を作成、設定、表示、リサイズするための手順については以下のセクションを参照してください。
カスタムストレージボリュームを作成する¶
インスタンスを作成する際に、 Incus はインスタンスのルートディスクとして使用するストレージボリュームを自動的に作成します。
インスタンスにカスタムストレージボリュームを追加できます。
このカスタムストレージボリュームはインスタンスから独立しています。これは別にバックアップできたり、カスタムストレージボリュームを削除するまで残っていることを意味します。
コンテントタイプが filesystem
のカスタムストレージボリュームは異なるインスタンス間で共有もできます。
詳細な情報は ストレージボリューム を参照してください。
ボリュームを作成する¶
ストレージプール内に block
または filesystem
のタイプのカスタムストレージボリュームを作成するには以下のコマンドを使用します:
incus storage volume create <pool_name> <volume_name> [configuration_options...]
各ドライバーで利用可能なストレージボリューム設定オプションについては ストレージドライバー ドキュメントを参照してください。
デフォルトではカスタムストレージボリュームは filesystem
コンテントタイプ を使用します。
block
コンテントタイプのカスタムストレージボリュームを作成するには --type
フラグを追加してください:
incus storage volume create <pool_name> <volume_name> --type=block [configuration_options...]
クラスタメンバー上にカスタムストレージボリュームを追加するには --target
フラグを追加してください:
incus storage volume create <pool_name> <volume_name> --target=<cluster_member> [configuration_options...]
注釈
ほとんどのストレージドライバではカスタムストレージボリュームはクラスタ間で同期されず作成されたメンバー上にのみ存在します。
この挙動は Ceph ベースのストレージプール(ceph
と cephfs
)とクラスタ LVM (lvmcluster
)では異なり、ボリュームはどのクラスタメンバーでも利用可能です。
タイプが iso
のカスタムストレージボリュームを作るには、 create
コマンドではなく import
コマンドを使います:
incus storage volume import <pool_name> <iso_path> <volume_name> --type=iso
インスタンスにカスタムストレージボリュームをアタッチする¶
カスタムストレージボリュームを作成したら、それを 1 つあるいは複数のインスタンスに ディスクデバイス として追加できます。
以下の制限があります:
コンテントタイプ が
block
またはiso
のカスタムストレージボリュームはコンテナにはアタッチできず、仮想マシンのみにアタッチできます。データ破壊を防ぐため、 コンテントタイプ が
block
のカスタムストレージボリュームは同時に複数の仮想マシンには決してアタッチするべきではありません。コンテントタイプ が
iso
のカスタムストレージボリュームは読み取り専用であり、データを破壊することなく同時に複数の仮想マシンにアタッチできます。ファイルシステムのストレージボリュームは仮想マシンの稼働中にアタッチはできません。
コンテントタイプ filesystem
のカスタムストレージボリュームは以下のコマンドを使用します。ここで <location>
はインスタンス内でストレージボリュームにアクセスするためのパス(例: /data
)です:
incus storage volume attach <pool_name> <filesystem_volume_name> <instance_name> <location>
コンテントタイプ block
のカスタムストレージボリュームは <location>
を指定しません:
incus storage volume attach <pool_name> <block_volume_name> <instance_name>
デフォルトでは、カスタムストレージボリュームはインスタンスに デバイス の名前でボリュームが追加されます。 異なるデバイス名を使用したい場合は、コマンドにデバイス名を追加できます:
incus storage volume attach <pool_name> <filesystem_volume_name> <instance_name> <device_name> <location>
incus storage volume attach <pool_name> <block_volume_name> <instance_name> <device_name>
ボリュームをデバイスとしてアタッチする¶
incus storage volume attach
コマンドは、インスタンスにディスクデバイスを追加するためのショートカットです。
もしくは、通常の方法でストレージボリュームのディスクデバイスを追加することもできます:
incus config device add <instance_name> <device_name> disk pool=<pool_name> source=<volume_name> [path=<location>]
この方法を使用すると、必要に応じてコマンドに更なる設定を追加することができます。 利用可能なすべてのデバイスオプションについては ディスクデバイス を参照してください。
I/O 制限値の設定¶
ストレージボリュームをインスタンスに ディスクデバイス としてアタッチする際に、 I/O 制限値を設定できます。
そのためには limits.read
, limits.write
, limits.max
に対応する制限値を設定します。
詳細な情報は タイプ: disk レファレンスを参照してください。
制限値は Linux の blkio
cgroup コントローラー経由で適用されます。これによりディスクのレベルで I/O を制限することができます(しかしそれより細かい単位では制限できません)。
注釈
制限値はパーティションやパスではなく物理ディスク全体に適用されるため、以下の制約があります:
仮想デバイス(例えば device mapper)上に存在するファイルシステムには制限値は適用されません
ファイルシステムが複数のブロックデバイス上に存在する場合、各デバイスは同じ制限を受けます。
同じディスク上に存在する 2 つのディスクデバイスが同じインスタンスにアタッチされた場合は、 2 つのデバイスの制限値は平均されます
すべての I/O 制限値は実際のブロックデバイスアクセスにのみ適用されます。 そのため、制限値を設定する際はファイルシステム自体のオーバーヘッドを考慮してください。 キャッシュされたデータへのアクセスはこの制限値に影響されません。
バックアップやイメージにボリュームを使用する¶
カスタムボリュームをディスクデバイスとしてインスタンスにアタッチする代わりに、バックアップ あるいは イメージ を格納する特別な種類のボリュームとして使うこともできます。
このためには、対応するサーバー設定を設定する必要があります:
バックアップ tarball を保管するためにカスタムボリュームを使用する:
incus config set storage.backups_volume <pool_name>/<volume_name>
イメージ tarball を保管するためにカスタムボリュームを使用する:
incus config set storage.images_volume <pool_name>/<volume_name>
ストレージボリュームを設定する¶
各ストレージドライバーで利用可能な設定オプションについては ストレージドライバー ドキュメントを参照してください。
ストレージボリュームの設定オプションを設定するには以下のコマンドを使用します:
incus storage volume set <pool_name> [<volume_type>/]<volume_name> <key> <value>
ストレージボリュームタイプ のデフォルトは custom
ですので、カスタムストレージボリュームを設定する際は <volume_type>/
は省略できます。
たとえば、カスタムストレージボリューム my-volume
のサイズを 1 GiB に設定するには、以下のコマンドを使います:
incus storage volume set my-pool my-volume size=1GiB
たとえば、仮想マシン my-vm
のスナップショットの破棄期限を 1 ヶ月に設定するには以下のコマンドを使います:
incus storage volume set my-pool virtual-machine/my-vm snapshots.expiry 1M
以下のコマンドでストレージボリューム設定を編集することもできます:
incus storage volume edit <pool_name> [<volume_type>/]<volume_name>
ストレージボリュームのデフォルト値を変更する¶
ストレージプールのデフォルトのボリューム設定を定義できます。
そのためには、 volume
接頭辞をつけたストレージプール設定volume.<VOLUME_CONFIGURATION>=<VALUE>
をセットします。
新しいストレージボリュームまたはインスタンスに明示的に設定されない限り、この値はプール内のすべての新しいストレージボリュームに使用されます。
一般的に、ストレージプールのレベルに設定されたデフォルト値は(ボリュームが作成される前であれば)ボリューム設定でオーバーライドでき、ボリューム設定はインスタンス設定(タイプ が container
か virtual-machine
のストレージボリュームについて)でオーバーライドできます。
たとえば、ストレージプールにデフォルトのボリュームサイズを設定するには以下のコマンドを使用します:
incus storage set [<remote>:]<pool_name> volume.size <value>
ストレージボリュームを表示する¶
ストレージブール内のすべての利用可能なストレージボリュームを一覧表示しそれらの設定を確認できます。
あるストレージプール内のすべての利用可能なストレージボリュームを一覧表示するには以下のコマンドを使用します:
incus storage volume list <pool_name>
すべてのプロジェクト(デフォルトのプロジェクトだけでなく)ストレージボリュームを表示するには、 --all-projects
フラグを追加してください。
結果の表にはそのプール内の各ストレージボリュームについて ストレージボリュームタイプ と コンテントタイプ が含まれます。
注釈
カスタムストレージボリュームはインスタンスボリュームと同じ名前を使うこともできます (例えば c1
という名前のコンテナストレージボリュームと c1
という名前のカスタムストレージボリュームを持つ c1
という名前のコンテナを作成することもできます)。
このため、インスタンスストレージボリュームとカスタムストレージボリュームを区別するには、全てのインタンスストレージボリュームは <volume_type>/<volume_name>
(例えば container/c1
または virtual-machine/vm
) のようにコマンド内で指定する必要があります。
特定のカスタムボリュームについて詳細な情報を表示するには以下のコマンドを使用します:
incus storage volume show <pool_name> [<volume_type>/]<volume_name>
特定のインスタンスボリュームについて詳細な情報を表示するには以下のコマンドを使用します:
incus storage volume info <pool_name> [<volume_type>/]<volume_name>
どちらのコマンドも、ストレージボリュームタイプ のデフォルトは custom
ですので、カスタムストレージボリュームの情報を表示する際は <volume_type>/
は省略できます。
ストレージボリュームをリサイズする¶
ボリュームにもっとストレージが必要な場合、ストレージボリュームのサイズを拡大できます。 場合によっては、ストレージボリュームのサイズを縮小することもできます。
ストレージボリュームをリサイズするにはサイズ設定を設定します:
incus storage volume set <pool_name> <volume_name> size <new_size>
重要
ストレージボリュームの拡大は通常は正常に動作します(ストレージプールが十分なストレージを持つ場合)。
ストレージボリュームの縮小はコンテントタイプ
filesystem
のストレージボリュームでのみ可能です。 ただし現在使用しているサイズより小さく縮小はできないので、縮小が保証されているわけではありません。コンテントタイプ
block
のストレージボリュームの縮小は不可能です。